児童教育実践に
ついての研究助成

第11回(2016年度)

第11回継続助成(アドバンストステージ)対象一覧

長期(研究助成期間:2017年8月~2019年3月)

助成対象研究(代表)者 (50音順、敬称略) 研究タイトル(※グループ研究) 研究内容
助成対象研究(代表)者
研究タイトル(※グループ研究)
臼井 昭子(うすい しょうこ)
東北大学大学院情報科学研究科 大学院生
美術鑑賞授業モデルの開発-ICTを活用した言語活動(発話・書く活動)の活性化を通して- ※
岡島 純子(おかじま じゅんこ)
東京医療学院大学リハビリテーション学科 准教授
不安症状をもつ自閉スペクトラム症児童に対する認知行動療法の効果 ※
小野田 亮介(おのだ りょうすけ)
山梨大学大学院総合研究部 准教授
情報発信活動における仮想的な聴き手・読み手の特徴:情報発信内容との関連に着目して
河本 愛子(こうもと あいこ)
東京大学大学院教育学研究科 大学院生
児童の社会情緒性の発達に資する小学校における学校行事の縦断的検討
高木 潤野(たかぎ じゅんや)
長野大学社会福祉学部 准教授
日本語を母語とする場面緘黙児における言語能力の特徴-個別式言語検査を用いた検証- ※
辰巳 愛香(たつみ あいか)
大阪大学大学院連合小児発達学研究科子どものこころの分子統御機構研究センター 特任助教
自閉スペクトラム症児の声の大きさ学習へのスマートデバイスの応用ー日常場面への般化を目指してー ※
樋口 大樹(ひぐち ひろき)
産業技術総合研究所自動車ヒューマンファクター研究センター 産総研特別研究員
読み書き習得に伴う脳内視覚処理システムの変化 ※ ※2018年3月
途中辞退
宮城 信(みやぎ しん)
富山大学人間発達科学部 人間環境システム学科 准教授
現場との協働による児童・生徒作文能力の経年変化に関する発展的研究 ※

(所属・役職は継続助成決定時のもの)

第11回助成対象一覧 (研究助成期間:2016年4月-2017年3月)

  • 研究成果発表会を開催し、優秀賞を発表しました。は優秀賞受賞の研究です。発表会の様子はこちらからご覧いただけます。
  • 成果要約は、添付のPDFでご覧いただけます。
助成対象研究(代表)者 (50音順、敬称略) 研究タイトル(※グループ研究) 研究内容
助成対象研究(代表)者
研究タイトル(※グループ研究)
芦田 祐佳(あしだ ゆか)
東京大学大学院教育学研究科 大学院生
低学年児童の情動表出に対する教師の認知的評価に関する検討 (153KB)
石島 照代(いしじま てるよ)
日本学術振興会 特別研究員
ジェネリック・スキルとしてのライティング能力養成のための作文推敲指導法開発の検討 -小中一貫校組織デザインを生かした、教科横断型の対話的な言語活動の観点から- ※ (228KB)
臼井 昭子(うすい しょうこ)
東北大学大学院情報科学研究科 大学院生
美術鑑賞学習において言語活動を促進するICT教材に関する研究 ※ (185KB)
岡崎 善弘(おかざき よしひろ)
岡山大学大学院教育学研究科 講師
読書活動を促進する拡張現実技術の開発:受動的読書から能動的読書へ ※ (340KB)
岡島 純子(おかじま じゅんこ)
東京医療学院大学リハビリテーション学科 准教授
不安症状を持つ自閉症スペクトラム障害児への認知行動療法 ※ (239KB)
小塩 靖崇(おじお やすたか)
国立精神神経・医療研究センター 精神保健研究所社会復帰研究部 非常勤研究員
ウェアラブル加速度計と生活記録日誌の併用活用による睡眠教育プログラムの開発 ※ (1.81MB)
小野田 亮介(おのだ りょうすけ)
山梨大学大学院総合研究部 准教授
聴き手に合わせた情報検索と情報提示を促す教育支援方法の検討 (181KB)
木澤 利英子(きざわ りえこ)
東京大学大学院教育学研究科 大学院生
日本人児童を対象としたシンセティック・フォニックスの多面的効果検証 ※ (226KB)
河本 愛子(こうもと あいこ)
東京大学大学院教育学研究科 大学院生
小学校における学校行事体験の有する発達的意義とその活動の在り方の心理学的検討 (399KB)
高木 潤野(たかぎ じゅんや)
長野大学社会福祉学部 准教授
日本語を母語とする場面緘黙児における言語能力の特徴―保護者記入型の質問紙検査を用いた検証― ※ (240KB)
辰巳 愛香(たつみ あいか)
大阪大学大学院連合小児発達学研究科 子どものこころの分子統御機構研究センター 特任助教
自閉症スペクトラム児の声の大きさ学習へのスマートデバイスの適応 ※ (224KB)
田中 千晶(たなか ちあき)
桜美林大学総合科学系 准教授
小学校における体育授業は活動的な時間となっているか? ※ (317KB)
樋口 大樹(ひぐち ひろき)
産業技術総合研究所自動車ヒューマンファクター研究センター 産総研特別研究員
漢字習得の脳内基盤-典型発達生徒と発達性読み書き障害生徒を対象として- (297KB)
宮城 信(みやぎ しん)
富山大学人間発達科学部 准教授
児童・生徒の作文能力の経年変化の解明と現場と協働した指導法の開発 ※ (254KB)
山岡 武邦(やまおか たけくに)
愛媛県立北宇和高等学校 教諭
社会科学的な教育手法を適用した新しい科学技術教育プログラムの開発-認知的葛藤からはじめる児童と科学技術との対話活動- (18.5KB)
山田 真寛(やまだ まさひろ)
国立国語研究所IR推進室 特任助教
地域言語学習コンテンツ制作・利用プロジェクトを核とした琉球諸語の復興研究 ※ (252KB)

(所属・役職は報告書提出時のもの)

美術鑑賞授業モデルの開発-ICTを活用した言語活動(発話・書く活動)の活性化を通して- ※

臼井 昭子(うすい しょうこ)

東北大学大学院情報科学研究科 大学院生

ICTを活用した美術鑑賞授業の教育モデルの開発を目的とし,次の3研究を行う.研究1: 鑑賞の授業は,生徒らが意見を交流させたり考えを記述したりするといった言語活動を中心に展開される.生徒の発話と記述の内容を分析し,発話と記述が鑑賞の深まりにどのような影響を及ぼしているのか関係性を明らかにする.さらに,教員らが言語活動のどのような点に重点を置いて評価しているのかについて調査し,鑑賞授業での言語活動の評価法について検討する.研究2: 言語活動を活性化させるため,教員らが求めている機能を実装したICT教具を開発する.教員らは,作品を実物大で多方向から鑑賞できるような機能を教具に求めているが,既存の教具では十分ではない.鑑賞学習の様々な目的に対応できるよう,こうした機能を持つICT教具の開発を行う.研究3: 研究1で得られた知見と研究2で開発した教具を用いて,鑑賞の授業実践を行う.実践を通して言語活動の活性化に結びつく教具の活用方法などについても検討し,ICTを用いた鑑賞授業の教育モデルを開発する.

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不安症状をもつ自閉スペクトラム症児童に対する認知行動療法の効果 ※

岡島 純子(おかじま じゅんこ)

東京医療学院大学リハビリテーション学科 准教授

本研究の目的は、昨年度開発された不安症状をもつ自閉スペクトラム症(Autism Spectrum Disorder: ASD)児童に対する認知行動療法(Cognitive Behavioral Therapy: CBT)プログラムの効果を検証することである。不安症状がみられるASD児を対象にCBTと親訓練(Prent Treaning: PT)から構成されるプログラムを実施し、その効果について検討する。対象は、3~6組の小学3年生~中学生のASD児とその親である。夏休み期間を利用し、親子で参加する6回のCBTセッション、夏休み後は親のみ6回のPTセッションを実施する。1回120分のセッションであり、CBTセッションでは心理教育、認知再構成、エクスポージャー、リラクセーションもしくはソーシャルシンキングの内容で構成されている。毎回、ホームワークが課され、実際の生活場面で学習したことを行う。PTセッションは、強化や強化子、先行刺激の統制、行動連鎖、機能分析を行い、セッション内で具体的な計画を立て、ロールプレイし、ホームワークで実践する内容である。評価尺度は、親評定のSRS、SDQ、GHQ-28、SCAS-P、児童評定のSCAS、認知の誤り尺度を用いる。介入前と、CBT終了後、PT終了後の3時点でアセスメントし、3か月後のフォローアップも査定する。9~12例のデータを収集し、介入前と、CBT終了後、PT終了後の3時点で有意な改善がみられるか,ノンパラメトリック解析を用いて検討する。

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情報発信活動における仮想的な聴き手・読み手の特徴:情報発信内容との関連に着目して

小野田 亮介(おのだ りょうすけ)

山梨大学大学院総合研究部 准教授

発話による議論や,文章による意見文産出など,あらゆる情報発信活動において「誰に向けて情報を発信するか」についての認知である「聴き手・読み手意識」をもつことは重要である。そのため,学校教育においても,「読み手の気持ちを考えましょう」といった指導により,聴き手や読み手に対する意識づけが行われている。しかし,実際には読み手を意識しても,それが情報発信の質の高さに結びつかなかったり,読み手を意識しているつもりであっても具体的な想定ができていない学習者も存在している。
 そこで本研究では,聴き手や読み手を想像するように求められた際に,学習者がどのような聴き手・読み手を想定しているかを明らかにし,その想定傾向と情報発信の関連を検討する。また,読み手意識と聴き手意識の関連についても検討し,両意識の切り替えと情報発信の方法や質との関連について明らかにする。これらの検討を通し,聴き手・読み手意識に困難さを示す学習者に対する支援方法を提案することが本研究の主たる目的となる。

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児童の社会情緒性の発達に資する小学校における学校行事の縦断的検討

河本 愛子(こうもと あいこ)

東京大学大学院教育学研究科 大学院生

本研究では,小学校の学校行事において,児童の社会情緒性の発達に資する小学校の学校行事の内容解明をめざし,小学生の児童・教師を対象として,観察,質問紙,面接と複数の研究手法を組み合わせたフィールドワークを行う。
 フィールドワークに先立ち,まず,2時点の縦断的な質問紙調査のデータを利用して,小学生の学校行事への没頭に関連する要因を解明するとともに,学校行事への没頭がその1年後の児童の社会情緒性の成長にどのように影響するのか分析を行う。その上で,その分析結果を踏まえ,小学校でのフィールドワークを行う。この研究では,学校行事前後に児童・教師を対象とした質問紙調査・面接調査を行い,学校行事期間の前後で社会情緒性に変化のみられた児童を特定するとともに,学校行事の準備・練習期間中には,児童の話合い場面を観察し,そこでの児童・教師のやりとりの談話分析を行うことで,どのように話合いに関与した児童に成長がみられたのかを明らかにする。

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日本語を母語とする場面緘黙児における言語能力の特徴-個別式言語検査を用いた検証- ※

高木 潤野(たかぎ じゅんや)

長野大学社会福祉学部 准教授

場面緘黙の言語能力をより詳細に検討するために、1)低年齢の場面緘黙児におけるCCC-2データの収集、2)標準化された個別式言語検査による言語能力の評価、を実施する。1)は昨年度と同様のCCC-2、SMQ-R、PARS-TR、音声の聴取、生育歴等の聴き取り、及び新規にCBCLを実施する。昨年度の研究と併せて80名(幼児、小学校低学年、高学年、中学生の年齢群で各20名)のデータ収集を目指す。2)については10名の場面緘黙児(小学校1~4年生)を対象にする。個別や小集団での関わりを通じて充分なラポートを形成し、話しことばによる充分なコミュニケーションが可能な状態で個別式言語検査LCSA(学齢版言語・コミュニケーション発達スケール)を実施する。また先行研究の手法を参考に、共通の刺激を提示した上で産出されたナラティブ(談話)を分析する手法によって、家庭での発話についても評価する。場面緘黙児の言語能力の特徴を詳細に捉えることで、より包括的な場面緘黙児のアセスメントと介入方法を確立する。

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自閉スペクトラム症児の声の大きさ学習へのスマートデバイスの応用ー日常場面への般化を目指してー ※

辰巳 愛香(たつみ あいか)

大阪大学大学院連合小児発達学研究科子どものこころの分子統御機構研究センター 特任助教

【研究1】アプリで使用するシーンの妥当性を高めるため、1)ASD児を持つ養育者とASD児を担当する教師各20名に対してASD児において声の大きさの調節の難しさがあるシーンをアンケート調査し、明らかにする。2)調査にて明らかになったシーンについて30秒程度の動画を作成し、健常児10名に見せ、各シーンについて適切な声の大きさはどれかを、声のものさし(0~5の5件法)を用いて尋ね、健常児におけるシーンごとの声の大きさの適切さの理解度を明らかにする。
 【研究2】研究1の2)で正答率が低い物を除いたシーン(3種類の声の大きさで各16シーン)をアプリに組み込み、6歳から15歳のASD児20名を対象に全2か月間のトレーニングを行う。参加者はBL、1か月後、2か月後に来談し、1)指定する声の大きさで発声する音量測定テスト、2)シーンに適切だと思う声の大きさで発声する音量測定テスト(1,2ともにフィードバックはなし)、3)日常の声の大きさのセルフチェックと質問紙を行う。養育者と担任には質問紙調査と日常での声の大きさの評価アンケートを行う。2か月の研究参加期間中は、家庭で1日1回2,3分程度の声の大きさの場面を練習する(適切かのフィードバックあり)。

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読み書き習得に伴う脳内視覚処理システムの変化 ※

樋口 大樹(ひぐち ひろき)

産業技術総合研究所自動車ヒューマンファクター研究センター 産総研特別研究員

読み書きの発達に伴い、文字や物体を認知する脳内の視覚処理システムがどのように変化するのか明らかにする。また、これまでの研究で見出した読み障害児における脳活動パターンが発達の遅れによって生じているのか、生得的要因によるのか明らかにする。
 具体的には、MRIを用いて、典型発達の小学校中学年、高学年、中学生を対象として文字および線画に対する脳活動を計測することで、(1)読み書き発達に伴う脳活動変化の描出、(2)読み障害児と読み書き習得度がマッチした典型発達児の比較を行う。
 本研究を通して、読み書き習得に伴う発達と生得的要因との相互作用を立体的に描出することを目指す。

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現場との協働による児童・生徒作文能力の経年変化に関する発展的研究 ※

宮城 信(みやぎ しん)

富山大学人間発達科学部 人間環境システム学科 准教授

本研究の調査資料は、児童らの24年間の文章能力を記録した「手」作文コーパスである。当該資料はすでに電子化が完了しており、経年変化に関するいくつかの数量的な調査結果が得られ、資料として有効性が確認されている。これに意味情報を追加する予定である。これによって新たに意味的・語用論的な観点からの研究が可能となる。現在、前研究から継続しているものは以下の通り。
・同カテゴリー語彙の学年別使用傾向調査
・表記の誤用傾向を踏まえた学年別平均的作文のモデル化
・現場教員による作文評価基準の一般化と可視化、両年度の評価差の検証
・文章表現の類型化と学年別使用、文章構成類型の抽出
 これらの研究の成果を受けて、最終的には、児童らの書く随筆の特徴を他の文種と関連づけて詳細に記述し、その発達過程を明らかにする。併せて現場教員の作文指導に直接的に役立つデータに基づく教材の提供を目標とする。

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