博報賞

活動タイトル

ESDの視点から日本と世界の教育活性化に挑む一人の校長の取組み

手島 利夫

教育活性化部門| キーワード:探求的な学習/課題発見・解決能力/問題解決力東京都
手島 利夫

活動内容

 日本におけるESDの先駆者としてリーダーシップの発揮が期待される。
 ESD(Education for Sustainable development)とは「持続可能な開発のための教育」で、2002年の国連総会で日本が提案し満場一致で採択された。手島校長は学校教育におけるESD推進の方策を教育実践を基に開発し、その成果をユネスコスクールの拡大を通して全国に普及させている。
 学習指導要領において「生きる力」が謳われているが、学校教育において知識の量だけではなく問題そのものに気づき、情報を集め、考え、判断したことを自ら実践しやり抜く「問題解決力」や人と心を通わせ合い、感動し、伝え合う「創造的なコミュニケーション」の育成が求められている。ユネスコの推進するESDという教育観も「生きる力」と同じように課題に立ち向かい、持続可能な社会をめざす人づくりを進めようというもので、手島校長はESDという用語も一般にはほとんど知られていなかった2006年、江東区東雲小学校でユネスコ協同学校として認定を受け、研究を開始した。そして教育実践の中から総合的な学習の時間を中心として教科横断的な指導計画を作成することの重要さに気づき、誰にとっても分かりやすく使いやすい「教科横断的な指導計画・ESDカレンダー」を作成した。ESDカレンダーの活用でそれまでの児童による問題行動は激減、児童にも職員にもユネスコスクールとしての自覚と誇りが拡がったと言う。また、ESDの学習成果を発表し合う場「東雲フェスティバル」を設け、主体的な学習態度やプレゼンテーション能力の育成を図った。江東区八名川小学校に異動後も、実践を踏まえて国内外にESDの重要性とその取組み方について発信を続けている。
 現在では日本のユネスコスクール加盟校は615校(9月現在)にまで増加し、そのほとんどの学校はESDカレンダーづくりに取組んでいる。また手島校長の成果を踏まえた「ユネスコスクールガイドライン」の発表により、ユネスコスクールがESDの推進拠点として一層明確化され、全国の学校教育の活性化に影響を与えている。

【写真】
八名川ESDまつり「防災安全マップで説明」



審査委員より

近年大きく注目されるESD(持続発展教育)に関する先駆的な実践をしてきた。子どもへの愛情と優しいまなざしを基盤に、情熱的な思いと積極的な行動力で国内のESDを推進しているリーダーの一人である。ESDの推進に当たっては、総合的な学習の時間を中核にして、教育課程全体を有機的に関連付けるなど、学校の活性化にもつながる取組みである。

プロフィール

東京都 手島 利夫(てじま としお)
役 職:江東区立八名川小学校 校長