博報賞

活動タイトル

生きる力を育む中学生の創作劇活動の推進~師弟同行の精神で歩む演劇教育~

演劇夏季学校

教育活性化部門| キーワード:大阪府
演劇夏季学校

活動内容

 大阪府中学生演劇祭の上演が創作劇に限定されてきたことから、中学生と顧問教員への創作劇づくりの宿泊講習として、1981年から毎年、演劇夏季学校を3泊4日で開催。無から有を生み出す創作劇活動は、真摯に社会と向き合い生きる意味を追求し、自分たちの日常を自分たちのことばで表現、舞台化し、生徒たちが本来持っている良さを、教え込むのではなく生徒自身が見つけ出し、指導者と一体となって創り上げていく人間開発の作業。成功のポイントは、生徒と指導者が師弟同行の精神で取り組み、生徒を信頼することで、子どもたちの生きる力を育む活動として定着してきている。
 夏季学校は学校単位ではなく個人単位の参加で、大阪府内のさまざま中学校から集まった生徒たちが学年を越えてランダムに7~8人のグループ(座)を構成し、合宿中一緒に行動。1日目昼は2班に分れ身体訓練・発声訓練と装置作り、夜は春の演劇祭優秀作品の再演を鑑賞と劇作り(集団創作)講座。2日目朝は四百字創作(個人創作)と台本の書き方講座。四百字創作は四百字の原稿用紙の枠内に過不足なく課題に沿って作品を書き上げる。約束ごとは?二人の対話で?1字の人物(擬人)名?人物の性格を描き?説明やト書きは書かない?起承転結のあるドラマを?40分以内に仕上げる という創作訓練。昼は1日目と逆に装置作りと身体訓練・発声訓練を受講し、夜は座長(3年生のリーダー)を中心に10~15分の劇作り。3日目は早朝から急ピッチで作品の仕上げや読み合わせ、立ち稽古を行い、夜の卒業公演発表を目指す。前夜から遅くまで議論をし、生の人間同士がぶつかり合い、時には喧嘩にもなり全エネルギーを注いで創り上げる。最終日は創作表現活動(群読・朗読劇・モダンバレエ・太鼓演奏・合唱等)発表と、四百字創作や卒業公演の優秀作品の表彰及び修了式。
 参加した生徒たちの変化は、受講する前と後では目の輝きが異なり、毎回のアンケートでも「新しい自分が発見できた」「自身が持てた」との回答が多く見受けられる。

【写真】
演出講座:座ごとに演じ、演出技法を学ぶ子どもたち



審査委員より

年2回の創作劇の発表会に長年にわたって取り組んでいる独創性豊かな実践である。演劇を通して教師も生徒も共に学んでいこうとするスタンスなど、人として育つプロセスをサポートしようとする理念に基づいて実践が着実に継続している。演劇に対する方法論のユニークさやOBたちの熱意に満ちたサポートも素晴らしい。

プロフィール

大阪府 演劇夏季学校(えんげきかきがっこう)
【創 立】
1981年
【学校(団体)規模・活動参加人数】
児童・生徒数:毎年約100名
指導者数:18~20名