博報賞

活動タイトル

「小学生が能を大好きになる」プロジェクト!

公益財団法人山本能楽堂

活動内容

日本を代表する古典芸能「能」の魅力を、小学生に「楽しく」かつ「本格的」に伝え、「小学生が能を大好き」になる取り組みである。
 能は650年の歴史を持つ、日本を代表する古典芸能、謡(うたい)、舞(まい)、囃子(はやし)、面(おもて)、装束(しょうぞく)と、どれをとっても、完成度の高い素晴らしい総合舞台芸術である。また、子どもたちが小学校で初めて学ぶ各教科内容の全てが能の中に含まれている。謡の美しい言葉や能の物語には「国語」、楽器演奏や謡の中の言葉のリズムには「音楽」、美しい装束や能面には「美術」、その成り立ちには「歴史」が、というように、室町時代から連綿と続く能の中には、小学生が最初に出会う教育の全てが内包され、しかも昇華された美しい形で継承されているため、能を通して子どもたちは自然な形で日本人の美意識を感じる事ができる。しかし、現代の日本では、日常触れることのない「ゆっくりとした動き」や「昔の(室町時代の)言葉」のため、時に鑑賞の「退屈さ」「難解さ」に繋がってしまう。また保護者に連れられてきた子どもたちが「お行儀よくしなさい」「じーっと鑑賞しなさい」等、子どもたちの自発性に配慮がないまま鑑賞を強いられる事も少なくない。
 本プロジェクトでは、子どもたちが自ら楽しんで、自発的に能に親しむ事を目指している。子どもたちの興味の段階にあわせて、能の楽しさを体で感じる「現代美術家による子どものためのアートによる能案内」、能について学ぶ「能と遊ぼう!」、謡を練習し、能の公演に参加し発表する喜びを見いだす「少年少女 うたい隊」、新作能をプロの能楽師と子どもたちが一緒に作りあげる「新作能『水の輪』」の、4つのプログラムを中心として活動している。
 私たちの願いは、古くさいと思われがちな能を「現代に生きる魅力的な芸能」として、子どもたちに体全体で楽しんでもらう事である。幼少期の能を通しての楽しい経験は必ずや子どもたちの心の中に刻まれ、日本人としての遺伝子と連動し、自己の確立や誇りに繋がり、同時に豊かな感受性を育むことができると確信し活動している。

【写真】
能面をかけて能舞台をすり足で歩く子どもたち



審査委員より

「小学生が能を大好きになる」という日本の伝統芸能の継承プロジェクトである。「好きにする」のではなく、子どもたちの創造的、主体的な活動として取り組ませることにより、子ども自身が「好きになる」というユニークな育成活動である。伝統芸能の次世代への普及活動を行っている他の民間団体における指導のあり方についても、多大な示唆を与えてくれる活動である。

プロフィール

公益財団法人山本能楽堂

団体概要

【創立】
1927年

【団体の規模】
活動参加人数:年間 約8,000~10,000名