博報賞

活動タイトル

子どもの自立活動のための「教科書」中村うんどう基礎プログラム(NMBP)に基づく集団的指導

横浜市立中村特別支援学校

活動内容

自立活動の「教科書」としての中村うんどう基礎プログラム(Nakamura Movement Basic Program:以下NMBPと呼ぶ)は、「うんどう」指導において、「なにをしてよいか分からない」という教員たちの苦渋に満ちた発言からそれを解決すべき手段として生まれたものである。
 憲法第26条に「等しい教育を能力に応じて行う」とあるように、(みんないっしょの)等しい教育をするために、すべての子どもたちに必要な教育内容を選定し、その上で子どもの能力に応じて指導できるようにNMBPを作成してきた。自立活動は教育活動であり、理学療法士や作業療法士ではなく教員が主体となって行うべきものであり、NMBPは教員の主体的な指導に役立つものとして全教員で実践をしている。
 障がいに応じて内容を考えなければならない自立活動の指導は、運動学的な知識が未熟な教員にとって困難なことである。教科に「教科書」があると同様に、NMBPで内容を定めることで教員にとって非常に指導しやすくなるとともに、NMBPを使って集団で指導することが、学校という場を活かすことにもつながると考えている。そして、事故予防のための最低限の解剖学や生理学的な知識を教員はもつ必要があり、すべての教員がNMBPを行うことでそれらの知識が自然と身につくようにも配慮してある。
 実際にNMBPを使った指導は、「自立活動」の時間、「うんどう」の時間、「課題別学習」の時間を基本に、学校生活全体でも行われている。子どもの変化は多種多様であり、呼吸の改善や便秘の解消、集団への適応(NMBPの効果もあるが集団的指導の効果も考えられる)、脱感作、ヘッドコントロールや座位保持能力の向上、そして嚥下・摂食やコミュニケーションの改善にまで及んでいる。
 全教員によるNMBPの実践の積み重ねによって、毎年改訂が繰り返され現在の形に至っている。今後は、家庭でも活用できるよう多くの実践を通して内容をさらに充実させ、多くの方に活用してもらえるものにつなげたい。

【写真】
「教科書」を使い集団で学習。一人ひとりの状態に合わせ、関わり方を工夫



審査委員より

障がいの重い子どもが通う特別支援学校で、特に肢体不自由のある子どもへの自立活動の指導を効果的に進めるために、教科書「中村うんどう基礎プログラム」を作成して取り組んでいることが特筆される。これにより、経験の少ない教師や専門性が求められる教師への援助となるばかりか、子どもにとっても授業の参考になり、自宅での復習・予習や保護者への周知にも繋がる。

プロフィール

横浜市立中村特別支援学校

団体概要

【創立】
1972年

【団体の規模】
児童・生徒数:63名
クラス数:24(訪問指導学級含む)
指導者数:65名