博報賞

活動タイトル

地域の伝統文化の継承と地域を愛する子どもの育成

多久市立中部小学校

活動内容

多久市が多久聖廟(孔子廟)を持つことの縁で、胡弓奏者の趙国良氏より腰鼓200個が寄贈され、1991年度より市内の中学校で腰鼓踊りに取り組むこととなった。その後指導者の異動等の事情で、聖廟を校区内に持つ中部小学校に集約され、現在では、秋の中部小学校・多久町民合同体育大会や、秋の釈菜(聖廟のお祭り)で腰鼓の演技発表を行っている。2008年からは春の釈菜でも発表を行うようになった。釈菜は多久聖廟創建以来、戦時中も含めて一度も絶えることなく行われ、現在は佐賀県の重要無形文化財に指定されている。例年テレビやラジオ、新聞等のマスコミの取材も多く、たくさんの観光客も来場する中、プログラムの一つとして腰鼓を披露することを子どもたちは楽しみにしている。多久の誇りである多久聖廟において、地域の伝統文化を継承することで、多久の伝統文化に誇りを持つとともに、歴史や伝統がある多久町や学校を自慢に思う児童が育っている。演技を行うのは本校の5年生と6年生で、代々6年生が5年生へ伝達する形で練習を行い、伝統を受け継いできた。低学年の児童は、きらびやかな衣装を着てダイナミックな踊りを行う上級生を見てあこがれを持ち、自分たちの出番が来るのを楽しみに待っている。また普段の縦割り班での行動も併せて、好ましい学年間の関係ができている。
 戦前まで釈菜で歌われその後途絶えていた「参列生徒の唱歌」は、聖廟創建300年祭を契機にお年寄りの記憶を頼りに楽譜が作成され、60年ぶりに復活した。それ以来釈菜のプログラムの一つとして、毎回老人会と一緒に歌っている。このように釈菜に関わっての芸能としては、幼児は「幼児太鼓」や「花棒舞」、小学生は「腰鼓」、中学生は「釈菜の舞」、大人は「獅子舞」、老人会は小学生と一緒の「参列生徒の唱歌」があり、世代を超えた多久町民の多くが参加し盛り上げている。このような活動の継続により、ふるさと多久町を愛する心情を育むことができている。

【写真】
春の釈菜において、聖廟前の参道で腰鼓を踊る6年生



審査委員より

孔子廟釈菜祭に関わって、幼児(花棒舞)、小(腰鼓)・中(釈祭舞)学生、大人(獅子舞)、老人会(唱歌)と、時系列的に各点が線となってつながっている。また、地域への広がりという横断的視点においても、地域に定着した文化活動となっている。江戸時代から続く地域の中核行事において、本校は縦軸、横軸の両面において、活動の要となる優れた伝統文化活動を実践している。

プロフィール

多久市立中部小学校

団体概要

【創立】
1874年

【団体の規模】
児童・生徒数:196名
クラス数:8
指導者数:21名