博報賞

活動タイトル

心を育み、豊かな自己表現力を養う心と言葉の教育に関する実践と研究

古川元視【文部科学大臣奨励賞受賞】

活動内容

児童の心の教育に関する課題と表現力の乏しさに気付き、心と言葉を結ぶ豊かな自己表現力の育成を大切にした実践研究を継続している。児童の実態に基づき実践研究を深め、そして検証し、成果があったものを基に執筆活動なども行ってきた。
 教諭時代は、児童の心の貧しさや荒れた心に直面し、またそれが自己表現力の乏しさから来ていることに着目した。自己表現力を育成することの重要性に気付き、教師生活を通してこれらを克服させる学習指導法の開発を自己課題として長年にわたって取り組んできた。特に、話し合いによる相互理解の深化や学力向上を大切にする自己学習を授業の基盤にした取り組みは、他者と自己の考えとの比較や練り合いによる心の交流にもなるという成果を上げており、他の教員の参考にもなっている。
 指導主事時代にも、児童の豊かな自己表現の育成を重視し、若い先生方とともに学習指導案を作成したり、一緒に実践を行ったりするなど、一貫して授業にこだわっている。読書を含む自己表現力の豊かさという研究もそのようにして広がってきたものである。積み重ねてきた貴重な実践に基づいて、論文執筆、単行本の分担執筆などを行っている。
 教頭時代は、心と言葉の両輪から、豊かな自己表現をさせることが重要であるという基本スタンスを維持し、モデル授業者として、道徳や国語の授業に取り組んできた。これは、児童に自己表現力を身に付けさせるためだけではなく、若手教員を育てるためでもある。若手教員とともに授業を考え、実際に見せ、児童と教員の両者を育てている。児童は、自己表現することが大好きになり、堂々と自分の意見を述べるようになっている。若手教員は、生き生きと自己表現する児童を見て、授業観や児童観、ひいては教育観が変わり、授業や学級経営の改善を図るようになっている。新学習指導要領における「知識・技能を活用した思考・判断・表現力」の理念を先進的に研究・実践してきたとも言える。これまで学んだことを生かし、校長としての学校経営や、今も続けている教室での模範授業にも役立てている。

【写真】
国語の時間に作成した絵巻絵本を上級生に見せている1年生



審査委員より

長年にわたり、自主的な学習力を重視しながら、心の教育と言葉の教育とを同時的に育成する取り組みを行い、大きな成果を出してきた。また、読書活動などの取り組みを進め、心と言葉の豊かさを育んできている。さらに、教頭及び校長の管理職になった後にも、模範授業をし続けたり、地域や国の指導者や協力者として活躍していることも特筆に値する。

プロフィール

古川元視【文部科学大臣奨励賞受賞】