博報賞

活動タイトル

保護者との協働によるLDなど発達障害児のカリキュラム・授業づくり

見晴台学園【文部科学大臣奨励賞受賞】

活動内容

見晴台学園は、愛知県の学習障害児親の会「かたつむり」の努力によって、1990年4月、わが国で初めて、中学校卒業後行き場の無かったLD・ADHD・高機能自閉症など発達障害児の学びの場=無認可父母立5年制“高校”として開設した(のち、中等部・青年部を設置しNPO法人となる)。
 そして、「一人ひとりの子どもの必要に応え、真の学力を高め、わかる喜びを知り、学ぶ楽しさを知ることのできる教育」を目標に掲げ、今日まで、保護者とともに、地域との連携・協働を進めてきた。
 発達障害児の中学校教育と5年制の高校教育(本科3年と専攻科2年)を、保護者と教員との協働による学園運営委員会体制のもとで、「ゆっくり・じっくり・しなやかに」をモットーに、従来の考え方にとらわれず、生徒一人ひとりのニーズに応えようと「数量と言語」「社会と自然」「技術と人間」「芸術と文化」「運動文化とからだ」の5領域からなるカリキュラム・授業づくりなど大胆な試みを行ってきた。また、卒業後も必要とする子どもたちのために就労などへの移行支援の場を設けてきた。さらにまた、学園だけでなく全国の関係者と力をあわせ、特別支援教育の制度化や充実に向けて力を注いできた。
 このような、生徒が主体の生徒一人ひとりの教育的ニーズに応える学園の取り組みの相乗的作用によって、生徒たちは「学園に来てはじめて勉強が好きになった」「生涯の友達ができた」と語り、保護者もまた「学園に来させて良かった」と語るなど、学園で学んだこと(学ばせたこと)に対する満足度はきわめて高い。また、卒業生の追跡調査結果からも、社会に出て自分らしく逞しく生きている多くの姿を通して、それが学園での学びが土台となっていることが確認できた。
 学園における子どもたちのこのような目覚ましい成長・発達の姿が、父母負担だけの財政上の困難をはじめ幾多の試練を乗り越えて、今日まで学園を存続させる原動力となっている。

【写真】
学園祭「みはらしだいまつり」のオープニングを飾る生徒たち



審査委員より

LDのある子どもの保護者たちが母体となって、多くの教育専門家とともに開設した日本で最初のLD教育を標榜した民間の学校。その長い実践の歴史はLDを中心とする「発達障害」啓発の原点であると同時に、彼らの自立と社会参加に向けた教育プログラムの開発面でも全国的に大きな影響力をもち、高く評価される。

プロフィール

見晴台学園【文部科学大臣奨励賞受賞】

団体概要

【創立】
1990年

【団体の規模】
児童・生徒数:25名(2010年度7月末現在)
クラス数:中等部1、高等部3(本科2、専攻科1)、卒業後の自立支援1
指導者数:常勤教員5名、非常勤講師・パート職員11名