博報賞

活動タイトル

プロジェクトJ「十王鵜鳥舞を(うねどりまい) 創る」~100年続く踊りを自分たちの手で~

日立市立十王中学校

日本文化理解教育部門| キーワード:茨城県
日立市立十王中学校

活動内容

 日立市十王町は、かつて常磐炭坑の町として栄えたとともに、全国唯一の鵜の捕獲地である伊師浜海岸や、八幡太郎義家伝説や「七奇石三瀑」のある名勝堅破山(たづわれさん) など、自然や歴史に特色を持つ町である。これら地域の特色を取り入れて、「これが自分たちのふるさとだ」という思いを踊りと歌で表現することにより、「十王鵜鳥舞」という新たな郷土芸能を地域とともに共有し、育て、地域に貢献しようとすることを目的とする。
 基本となる踊りやお囃子は、民族歌舞団「荒馬座」の指導を受け、衣装の制作は保護者や地域の方(Jサポーター)に依頼し、十王民謡会の指導者や鵜捕獲技術伝承者など、地域の教育力を積極的に活用しながら展開してきた。「百年続く踊りを自分たちの手で」を合い言葉に生徒たちが次の学年へ引き継ぐために、3学期は、総合的な学習の時間を、1・2年同じ時間帯にするなどの教育課程上の工夫も取り入れ活動している。反面、教育課程以外での練習時間の確保が大変であり、夏休みの早朝時間を利用して練習に努めている。
 第2学年生徒全員は、衣装・小道具・創作踊りのいずれかの係に所属し、「協働」の意識を持ち創作活動に関わったことにより、自分の意見や考えを適切に表現したり、相手の意見を受け入れて考えを深めるなどのコミュニケーション能力を高めることができた。また、一連の創作活動を通して地域の様々な人と接する機会が増え、交流が深まり、衣装制作を始めとする様々な協力に対する感謝の気持ちをもつとともに、地域社会の一員としての自覚を深めることができた。特に地域の方の協力により踊りが出来上がったこと、今後も地域とこの踊りを共有しながら発展させていくことを確認した。
 本年度は、市政70周年・日立市に合併5周年・本校創立50周年にあたり、新たな鵜鳥舞の創作活動に取り組んでいる。

【写真】
ひたち秋祭りでの十王鵜鳥舞の発表風景「十王の舞とお囃子」



審査委員より

郷土に百年継続されるような伝統芸能を創作しようとする学社連携型の意欲的な日本文化理解教育である。生徒の自主的で主体的な創作活動が保障されている学校内に止まらず、その共有化と継承を通して地域の活性化に生かされている。取り組みも5年目に入り、いわゆるPDCAサイクルの実践モデルが確立しているなど、この種の実践の範例となる優れた教育活動である。

プロフィール

【創立】
1960年

【団体の規模】
・名児童・生徒数:394名
・クラス数:12
・指導者数:28名