博報賞

活動タイトル

子どもに学び、子どもと共に創る「相違・創意・総意」と進化する教育課程の創造

上越市立高志小学校【文部科学大臣奨励賞受賞】

教育活性化部門| キーワード:新潟県
上越市立高志小学校【文部科学大臣奨励賞受賞】

活動内容

当校は、従来の仮説検証型の研究手法をやめ、教師一人ひとりの相違ある実践に学び合う研究手法で教育課程を開発している。めあては「喜んで登校し、生き生きと学ぶ子ども」という教育目標のみである。これ以上細分化もしないし、重点目標も設定しない。仮説や理論に合わせるための話し合いを改め、「喜んで登校し、生き生きと学ぶ子ども」という教育目標に向かって、全教師が相違ある実践に取り組んでいる。実践をもとに、2週間に1回程度、具現した「喜んで登校し、生き生きと学ぶ子ども」の姿をA4 1枚程度のレポートに書く。それを、印刷・配布し、互いに読み合い、ワークショップを開く。レポートと同様にテーマはなく、自分が語りたいと思うことを語るというスタンスである。他者を否定・批判しないこと、結論を出して共通理解を図るものではなく、自分に必要な情報を得るための話し合いであることを原則としている。レポートは、現在までに5,000本にも及んでおり、自由に活用できるように整理・保存されている。
 相違ある実践には、創意・工夫が伴う。また、相違ある実践だからこそ、他の実践に学ぶことも多い。実践しながらよいことは推し進め、うまくいかないことは、すぐに改めていく。その結果、よい実践・優れた実践・効果の上がった実践などが、自然と流行り、そうでないことは新たな方法で実践が求められる。<実践→レポート→ワークショップ→実践>という繰り返しの中で、「相違」からスタートした教師一人ひとりの教育課程は、創意工夫を加えることで「創意教育課程」となり、さらに全教師の総意を得るものは「総意教育課程」と進化していく。創意ある実践・レポート・ワークショップの繰り返しは、日常実践を重視した事例に基づく評価であり、子どもの変容・成長と、教師の研修・力量形成を伴った教育課程の評価法となっている。
 教育課程の中核は、生活科と総合的な学習の時間である。自立への基礎を養う生活科、自己の生き方を考える総合的な学習の時間での学びは、自己を向上させ成長させようとする自己形成のプロセスそのものである。学ぶことと自己形成が一体となって展開される生活科や総合的な学習の時間を中核に据えることで、子ども一人ひとりのよりよい自己実現を図ってきた。それが学校生活の基盤となり、子どもにとっては毎日の活動に期待感が高まり、喜んで登校する要因になっている。

【写真】
初めてやぎに触れ、好奇心いっぱいの子どもたち(1年生の生活科:やぎの飼育)



審査委員より

「相違・創意・総意」をキーワードとした校内授業研究によって、教師一人ひとりの個性を尊重した教育課程が創り出され、子どもたちの主体的な学びが生み出されている。教育的な志の高い確固たる理念の下での継続的な実践研究は、日本が誇る授業研究のモデルとして高く評価することができよう。

プロフィール

【創立】
1876年

【団体の規模】
・児童・生徒数:552名
・クラス数:22
・指導者数:40名