博報賞

活動タイトル

「論理的な思考力・表現力」を高めるカリキュラム開発~併設型中高一貫教育校における「ことば」の授業~

矢原豊祥

国語・日本語教育部門| キーワード:広島県
矢原豊祥

活動内容

1992年に広島県内の公立中学校に着任以来、中学校国語科における「読むこと」の領域における実践研究を進めてきており、「自立した読者」という学習者像を目指す必要性について提言を行ってきている。
 2004年度に新設された広島中・高等学校の開校時に着任後は、中高の6年間で「論理的な思考力・表現力」を身に付けさせていくためのカリキュラムの開発に取り組んできている。そのため、中学校段階においては、「ことば」の授業を設定し、すべての教科の核として位置付け、「論理的な思考力・表現力」を身に付けさせるために全生徒に履修させ、運用してきている。「ことば」の授業を担当する国語科の教員として、日本語による話型のトレーニングを繰り返し行った。また、数学・社会・理科等の教員とTTを行うことで、合科的な学習活動を展開し、応用的な問題解決型学習を行うことを通して、「論理的な思考力・表現力」を身に付けさせることを目指した。その成果は、広島中学校の生徒の学力の向上として現れている。例えば、2007年度に文部科学省が実施した「全国学力・学習状況調査」では、PISA型「読解力」に関連の深い「主として『活用』に関する問題」であるB問題でたいへん優れた結果をあげている。その他にも、広島県「ことばの輝き」優秀作品コンクール等で、最優秀賞・優秀賞等を毎年受賞している。また、広島高等学校における指導でも、総合的な学習の時間での発表や討論、文献やデータを用いた分析、小論文や卒業論文を作成する活動においても、高い水準の学習効果を上げている。
 2007年度からは広島高等学校に異動し、文部科学省の研究開発学校の指定を受けた広島中学校で授業を行い、中高一貫教育校の中学校段階に必修教科「ことば科」を新設した場合の教育課程、指導方法及び評価方法並びに高等学校教育課程との接続の在り方についての研究開発の核となって活動している。

【写真】
ことばによる道案内の活動で、説明のポイントを示している場面



審査委員より

中学校、高等学校の国語科における、主に評価読みなどの読むことの学習指導に関する実践研究、言語技術などを中心とする論理的な思考力・表現力を継続的に育成するカリキュラム開発研究などの研究業績が高く評価される。また、広島県の「ことばの教育」のパイロット教員として地域の国語教育研究の推進に貢献している。