博報賞

活動タイトル

通常学校園における教育的ニーズに応じた支援へのサポートの在り方を追求する実践

静岡大学教育学部附属特別支援学校

特別支援教育部門| キーワード:静岡県
静岡大学教育学部附属特別支援学校

活動内容

本校は開校以来、知的障害児教育の理論と実践に関する研究活動に取り組み、その公開と関係諸機関への協力に努めてきた。
 近年、これまでの特殊教育から特別支援教育へ転換が図られ、子どもひとりひとりの教育的ニーズに応じた教育の必要性が示されている。本校では、2002年度からグループ研究として幼稚園保育園への出張相談の試行を始め、その有効性や課題を検証してきた。相手学校園での特別支援教育への理解がまだほとんどみられない状況から、子どもへの支援やそれをサポートする出張相談がどのようにしたら現場で受け入れられるか、実践を進めた。ケース会議や教材提供などの具体的な支援の積み重ねにより、対象児の行動改善はもちろん、子どもに関わる教職員の意識の変化をも身をもって経験した。これらは、関わった学校園の、特別な支援が必要な子どもに対する支援体制が整っていくことにもつながった。そして、2004年度からは、地域の特別支援教育のセンター的役割を果たすことをめざして特別支援部を創設し、出張相談を含めた教育相談業務を学校体制として行うこととなった。現在では、学校園や放課後児童クラブ等の各関係機関に継続的に出向き、出張回数も年間120回を超えるほどに発展した。また、この実践を通して、出張相談の基本的な流れや着目する視点及び配慮といったノウハウもまとめ、出張相談に携わる者が共通の認識や方向性をもってあたれるようにした。
 さらに、通常学級で対人関係に課題をもつ児童に対し、少人数での指導(ソーシャルスキルトレーニング:SST)を試行し成果をあげ、教育的ニーズに応じた支援の大切さを確認した。
 これらの研究の成果は、多くの先生方にも生かしていただけるよう、一般書籍として出版した。学校園での特別支援コーディネーターが果たすべき役割や、対象児の個別の支援計画作成へのヒントにもなり得るため、多くの方に有意義に用いられることを願っている。

【写真】
安心感・自信を高め、いつでも・どこでも・誰とでも力を発揮できるよう指導するSST



審査委員より

特別支援学校が支援体制作りにおいてどのようなセンター的機能を発揮するかは大きな課題となっている。大学の附属という成立要件を活かし、大学との密接な協働により、地域のセンター校として、リーダー的な教育実践を積み上げてきている。幼児期の支援や出張相談など、具体的活動の中に、モデル性のある発展性が感じられる。

プロフィール

【創立】
1974年

【団体の規模】
・児童・生徒数:61名
・クラス数:9(小学部低・中・高学年各1 中学部・高等部各学年1)
・指導者数:32名